「ぱちぱち」という音。
ある休日の昼下がり、いつものように米を研ぎ、キレイな水を入れてしばらく置いておいた。
浸水が終わるまでのスキマ時間を使って、横の机で勉強をはじめた。
とても静かな時間だった。一番大きな音が鉛筆で字を書く音だったくらいに。
その時かすかに「ぱちぱち」という音がした。
なにか焦がしたか、なんかやらかしたか、気になって音源を探した。
その正体は、台所にある「お米」だった。
なぜぱちぱちと音がなるのかがわからなかった。
調べてみると「米が水を吸っている音」とのこと。
新鮮な驚きがあった。しばらく米の声を聴いていた。
私たちは時間や期限に追われ、他人に急かされながら生きている。
ほとんどがスマホで完結し、電気も普及しているため火を使わないなんてお家もあるかもしれない。
なんでもかんでも時短、手間をかけずに効率化が優先されている。
ましてや米を炊く前に水を吸わせるなんて作業、手間がかかるだけ、本来は別にしなくてもいいことだ。
音の発生源が米だと気づいた時、私は心が躍った。
米が生きているということ、そしてこのとても小さな音に気づくことができた喜び。
静かな時間を過ごしていたからこそ、普段の忙しない生活ではまず気づくことができないであろう音。
手間をかけるという表現は適切ではない、現代人からすれば「手間」だろうが
昔の人はそれが普通だった。
私たちは時間を大切にするあまり、もっと大切なものを落としてしまっているような気がする。
米の声はそんな大切なことを気づかせてくれたと思った。
いただきます。
コメント