3 美人姉妹

観光

男は目を疑った、どうりで明るいわけだ

夜空には海岸の砂をちりばめたかのようにキラキラと大小さまざまな星が瞬いていて

まるで星々から祈られているような真ん中で、大きな月が輝いている

ここまではいい、この大きな月の横に、少し小さくしたくらいの大きさの月がそっとそばにいる。

どちらもとても白く美しく明るく輝いていて、

月面は両方とも兎がなにかいたずらしているように見えて似た表面だ、

例えるなら色白姉妹といったところか

 

いやそんなこと言っている場合ではない、月が二つだと!?

そんなことがありうるか?

 

こんな状況で男の頭はやたらと回る、もといパニックになる

まず考えられる可能性はここが地球ではないということ。

次に、ほぼないがここは地球で、何かが起きて月が二つになっちゃったということ。

冷静になれ、後者はほぼない。

もし月が割れていたとしても、それぞれがあんなにきれいな丸になるまで何万年かかるのだろうか

その間自分は気を失っていたとでもいうのか、今はやりのタイムスリップか

だとしたらここは何万年も遠い未来だ人間がいるかも定かでない、

どちらにしろ、自分は元の世界に戻れないのかもしれない

 

だがさらに冷静になれば、ずっとこんなことを考えていても答えはでない

おそらくこういうことには必ず答えがある。

というより、いつか決定的な事実が出てくるはずだ。

それまでは考えないようにしよう。

 

ちらちらと姉妹の月を眺めながら、男は穴に戻り、葉っぱを並べ土を寄せ

小石をどけて、強引に夢の中にはいった

 

朝が来た

男は海岸に向かって走る

朝日を確かめるために

 

朝日はちゃんと一つだった

 

男は安堵した

 

まあ何も状況はかわらないのだが

 

男はまた歩きはじめる

 

今日は遭難二日目だ、昨日の件はいったん忘れて

生き抜くことを考えねばならない

すでに何も飲み食いしていない

このままだと死ぬ

 

男は水を探すことにした

より内陸の森へ向かう

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました