ある日、兵食瀬領ノ棟に通報が入った
人型が歩いていると
三象覚はもう島では有名になっていた
だからもう、人型が現れても誰も驚かなかった
むしろ冷静に連絡をしてきた
このあたりの順応性が高いことにも男は驚いた
第十三中隊が現地へ向かう
大きな人型が歩いていた
三笑楽より一回り大きいのではないか
男も現着、新たな人型を確認する
やはり体中から枝が生えていた
角も何本か生えているが、三象覚より多い
というのもこいつは体が大きい
初めてあった時の三象覚は数メートルはあったが
いまとなっては平均的な身長に落ち着いている
だがそれをふくめて考えてもこいつはでかい
2mはあるが、なによりもその横幅だ
こいつは重量級なのかもしれない
初めての出会いはアタリで始まる
これは二人目でも同じようだ
大きな人型は堂々と立っていた
男は思っていた
正直言って、こいつに勝てる気がしなかった
こんな重心が下にある重そうなやつ倒れるわけがない
だがやらねばならない
男は一歩踏み出した
ところがそれよりも大股で、三象覚が前にでた
男はきょとんと立ちすくみ
三象覚の大きな背中を見ていた
「私は晴輪国晴渡探検協会第十三中隊所属、三象覚笑楽森人、貴様の名は?」
「私はセツゲモリズミ、キサマがハツゴか、アタリアオウぞ」
男は驚いた、最初からなかなか流暢な言葉を話しているぞこいつ・・・!
どうやらあの折れた枝には言語知識も入っていたようだ、、
いまいち訛りのある話し方だが、言語自体はしっかりと反映してくれたようで何よりである
ハツゴとはなんだろうか
どうやら代わりに三象覚が当たってくれるらしい、男はほっとした
アタリが始まる
驚くべきことに三象覚は男と戦った時の戦い方をほぼ再現し始めた
ぬかるみにハマったところを盛大に飛び蹴りをかます
ところがこいつはびくともせず、平気な顔して仁王立ちしていた
男は思った、やべえ詰んだ…とこれで三象覚が負けたらおれが戦わなきゃいけないじゃんか
だがその後三象覚は大いに巻き返し、足を引っかけ華麗にセツゲを投げ飛ばした
さすが、初代大筒を倒しただけはある
「オマエツヨイ、ワタシあなたにシタガウ」
「私ではない、我らは彼に従うのだ」と三象覚が男を見た
「ワカッタ、シタガウ」とセツゲ
男はどうもきまり悪い
だがこれで新たに二人目の人型が誕生した
三象覚が生れてから1年と少しのある日だった
こいつの特徴は何よりもそのガタイである
力士のような佇まい
とにかく重量級である
なんでこうも極端なんだろうか
三象覚はかなり細身である
だがその軽さを活かした戦いができるしかなり身のこなしは素早い
こいつは真逆だ
一体なにを考えているのだろうか、森は・・・
三象覚と同様に、男は言語や知識を探検隊の活動を通じて教え込む
さらに大筒衆とも戦わせる、今回は初代だけでなく二代目大筒と樹持も参戦した
ただその重量から、樹持にはすぐに勝ち(というより倒せない)
二代目大筒はほぼ互角で
初代大筒である日久万が倒したさすが初代である
セツゲは呆然としていた
だがまた戦おうとして周りに静止されていた
半年ほど経ったころ、なんと日久万を倒してしまった
三象覚より全然早い、なんという学習速度だろうか
これが事前知識を得てきたゆえの速さか
男は怖くなったと同時に興奮した
なんていう成長速度だよ、、森といいこの人型といい
この先が楽しみでしょうがない
初代大筒を倒したのでこいつにも名前を付けることにした
大切古 折現 森澄(オオキリコ セツゲン モリズミ)
大は大きいから
切古は大筒衆で二位の二代目樹持を誕生初日で倒したから
古株を倒したという意味
折現は適当であるが、しいて言うなら、現実を折ってほしいという願いを込めている
こいつが規格外の巨漢である、なにかやってくれそうなきがしたのだ
そしてどうやらこいつは見た目通り重量級である
特技はその力である
この力で、樹を担いだり、岩を持ち上げたり、力仕事はなんでもできた
あまりしゃべるほうではないが、それでよい
「オオキリコ、今度は城を作ろうな」
「おう、つくる」
言葉の学習が少し遅いのが玉に瑕だが、会話はできるのでそれで構わない
早くも探検隊とも馴染みはじめている
とくに自然生物に好かれるあたりが優しい巨人という感じがした
この調子で一体ずつでてくるのだろうか
これだと人型の数が揃うのに結構時間かかるな
その分丁寧に育てよう
男は三象覚と大切古が話しているのを眺めながら
決意を新たにした


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