山の麓にたどり着いた。
いったい何日かかったのだろう。
道中色々な生物に出会った。
機械樹の森だが、ナマモノの生物もいるようだ。
おかげで食料には困らない。
ただ、大型のナマモノがいない。
それはオオヅツはじめ大きい機械獣がいるからなのだろうか。
でも先ほど気づいたとおり、ナマモノと機械は別関係であると思う。
ということは機械獣に襲われて数が少ないということはない。
まあたまたまだろうか。
男の現在の装備は機械鹿の毛皮マント、機械植物のナイフ、機械鹿の角(大剣?)
これだけである。
あとはサバイバル用の食材やらなにやらだ。
鍛えるなどど豪語して森に入ったが大事なことを忘れていた。
機械生物からすれば男は空気のようなものである。
だから、男はためしにちょっかいを出してみた。
おそらく機械生物である猿たちに小石を投げる。
さっきまでキャッキャ騒いでいた猿たちが、真顔でこちらを見る。
だが、何も反応せず、また何事もなかったのように騒ぎ出す。
何なんだ虫はないだろう。
ちょっかいを続けた、どんどん小さいものにしていった、猿、狐、リス、カブトムシ、カマキリ
テントウムシ、アリ、、、どれもそこには誰もいないかのような反応である。
見えていないのだろうか
男はいじめられているのだろうか
なんだかさみしくなってきた。
疲れた。
装備を置いて、木の根元に寝っ転がる。
しばらく木々の間から漏れるわずかな光を眺めていると
そのまま男は眠りについてしまう。
何かに額をはたかれ、男は飛び起きる
振り向くとそこには先ほどの猿がいた。
今度はちゃんと目を合わせてくれている。
だが別に友好的なまなざしではない
相変わらず異物を見るような目つきだが、以前とは違い認知してくれている
この態度の違いは何なんだ。
そこで男は初めて気が付いた。
毛皮と角だ
さっきまでは毛皮と角を身に着けていた
それも大型の機械鹿のものである
そのため周りの動物からすると鹿ではないにしろなんらかのものは感じ取るのだろう
やつらなりの防衛本能ということにしておこう
「こいつなんか投げてきた、むかつくけど大型の鹿だからな…」程度の認識かと仮定する
ようは虎の威を借る狐である。
大鹿の 大皮かぶり 大騒ぎ
しらけまなこに ひとかわむける
といったところか
だが攻撃してこないあたり、人間というものは初めて見るようだ
しかもさっき額をはたかれた時、細い腕のわりに結構衝撃が強かった。
ゴンッという鈍い音がした
あんな細いなりでも質量は大きいのかもしれない
そういえば森に入ったあたりから地面が固く感じていた
地面は普通の土のようだが、機械の根がある分、固めになるのだろうか
そしてこの見た目以上に重い機械生物どもが、地面を押し固めているのかもしれない
これでは小型でもまともにやり合ったらただでは済まないかもしれない
戦いを挑むのではなく、もはや狩りをしてみるか
狩った獲物を研究して、自分の装備に活かしていこう
そうやって研究し装備を充実させていこう
反撃されたらその時はその時だ、男はそもそも戦いたいのだ
新たな目標ができて男はワクワクしていた
未知を知る喜び、新しい知識経験が増える喜び
これこそが生きているという証明なのだと。

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