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晴輪物語【始記】17 森に学ぶ | 晴渡計画

晴輪物語【始記】17 森に学ぶ

観光

男は滝の上にいた。

30mはあるだろうか、結構な高さである。

最近はこの滝の周辺を拠点に活動している。

出壁山脈の西の端から麓沿いに東へ進んだあたりである。

ちなみに引きこもっていた時の住処は麓から北へ進んだところだ

いつも狩りをしていた川を南下していくと、滝があった。

 

そうあれから男はまた探検をするようになった。

滝にたどり着く間に様々な機械に出会った。

 

例えばソゲキンギョ

こいつは見た目はかわいらしいヒレの美しい金魚のような見た目で、

浅瀬の川に生息する、面白いのは狩りの仕方で、なんと弾丸を発射する

水を飲みに来た小鳥など小動物が獲物だ

そしてその弾丸は別の種類の魚である

つまり、機械魚同士で共生しているということだ

弾のほうはカンツウスルマスと名付けた

まんまである

金魚と言ってもブラックバスくらいの大きさはある

ただ色が鮮やかな赤や白や黒のブチなので、見た目はでかい金魚なのだ

そいつが小さいカンツウスルマスを頭の横にある角のような砲身から打ち出す

頭にくらい川に落ちたところをソゲキンギョが食す

そしてカンツウスルマスはまた弾丸として装填される

よくできている

 

もうひと種類紹介しよう

こいつは陸上の機械獣である、その名はエンゲツ

サルの仲間である、ジトメザルとは違い風格ある猿だ

珍しいのはこの猿が道具を使う猿だということ

骨などとがったものを投げやりのように使う

ただ人間のように精密に使うことはできず

その強肩で槍をものすごい速さで投げ、相手を仕留める

このエンゲツは二人一組で行動する

なかなかかっこよい、黒くて首回りに鮮やかな青い毛がまるでストールのように生えている

かっこよい、森の騎士とでもいえるだろうか

こいつが群れで槍を投げる以外の使い方をするのも時間の問題だろう

そうしたら人間とは戦争になる

ただ、そんなに大きくないのが難点だ

慎重はおそらく30-40㎝くらい、ジトメザルのほうがでかい

天は二物をなんとやらとはよく言ったものだ

 

そんな観察をしながらこの滝まできた

そう男は完全に改心した

そして新たに計画を進めていた

それは一言で言えば強くなることだ

細かく言えば武器や防具を自分で作り、使いこなし

生きる力を本当の意味で身に着けること

そのために狩りで最低限度の機械獣を狩り

ちゃんと地に足ついた強さを得るというものだ

滝にいるのは滝の裏にいい洞窟があったから

そして道具を作るといえばまずは木の加工である

機械樹を加工してモノを作る

男はその練習をしていた

器やお箸、シンプルに板や棒を作る

また加工のために、新たにハマグリ刃のナイフを新調した

これは同じく道中見つけた厚い葉の草から作ったものだ

そして石を加工し斧を作った、この斧は機械獣由来ではなく

純然たる石斧である

 

機械獣のパーツは意外とそんなに固くないことがわかった

強度は重層的に重なっているから生まれているのであり、単体で装甲のような

役割は持っていない、まあ、あくまでこの森の話なので、南はどうなっているか知らん

ただおそらく、太い木の幹から幹へ軽々と飛んで移動する機械獣も多いし、

起伏の激しい土地でもある、固さよりも柔軟さがこの森で生きていく秘訣なのだろう

ということで多少の加工はできるようになった

そろそろ武具や防具を作ることにする

ここで最低限度の装備を得たのちに、さらに川上へと向かう

川が流れているということは、どこかに水源があり、水源があるということは

水があつまる渓谷や谷があるということだ

ということはその隙間から南へ行けるかもしれない

男は想像する、そのためには何が必要か

試したいことがたくさんある

 

火であぶったら金属皮膚はどうなるのか

溶かして伸ばすことができればそれをより合わせて、金属の縄が作れるのでは

 

またそれを金属の縄でまとめれば鎧が作れるかもしれない

さらに織れば服にもなるかもしれない

 

男はワクワクしていた、これが生きるということなのだ

そしてこれが、森を知り、森と生き、森に学ぶということなのだ

 

 

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