男はずっとこの世界をもっと知りたかった
初めて金属でできたトマトを食べた時から
この世界が謎でしょうがなかった
いままで正直色々ありすぎた
だが、これでようやく原点に帰れる
男はこの世界を知りたい、ただその一点だけなのだ
知った後にどうするかなんぞはどうでもよい
ただ知りたい、新しいことを知る喜びを味わいたい
そしてそれが何なのか、さらに調べ、見て、感じたい
男はただそれがやりたいだけなのだ
探求中毒とでもいうのだろうかとにかく知りたいのだ
男はこの世界を気に入り始めていた
様々なことがあったが、生活は安定し始めてきている
やはり余裕というものは、新たな行動を起こすために必要なもののようだ
その前に現状を整理しよう
男は朝霧島と名付けた島に囲炉裏会議を設置し、機械生命たちが自分たちで治める仕組みと整えた
中央と領に分けることで、余すところなく治められるようにしている
さらにこの囲炉裏会議には各機関がぶら下がっている
この中には情報収集にあたる機関が存在する
これでこの島の情報を領ごとに把握することが可能であり、さらに中央囲炉裏会議にて情報を集約することが
可能となった
もういいだろう、あとは勝手にやってくれ
男は自分のやりたいことをやる
というわけで探検隊を設立する
隊員は元自警団のメンバーを中心としている
そう、実は男は先の囲炉裏会議うんぬんに、自警団を一切かかわらせてはいない
もちろん創設当初のお手伝いなどは自警団がやっているが、やがて自分たちでやらせるつもりだ
男にとって、この自警団メンバーはかけがえのない相棒なのだ
そして一番信用できる奴らである
まず探検隊の隊長は男がやる
次に副隊長はワコに任せた
もうワコは本当に何でもできるため、なんでも任せられるようになっていた
次に部隊づくりである
自警団からの続きで、4人一組として班とする
班をいくつか集めて小隊とし、それを集めて中隊とした
一個中隊は24匹、それが13個の探検中隊である、
そして自警団と異なるものは編成内容である
前回は色んな種族を混ぜて自警団を作ったが、それだと各種族の能力を存分に活かせない
鳥は鳥、猿は猿でまとめたほうが、かなり効果的に活動できると考えた
これで枠はできた、あとはそれぞれの種族たちを配置していく
各中隊には目的を達成してもらう
男がやりたいことは以下だ
①植物調査
(島内の植物種のリストアップ、各植物の詳細調査、図鑑を作る)
②動物調査
(島内の動物種のリストアップ、各動物の詳細調査、図鑑を作る)
※なおここでいう動物は虫や微生物など自力で動けるものはすべて含まれる
③島内地理調査
(島の地図を作る)
※河川、湖、池、海岸線、洞窟、森などあらゆる情報を島地図としてまとめたい
④気象調査
(観測を基本として、気候を調べ記録する)
⑤近海調査
(島周辺の海の中も調べたい)
※ただ島内調査がある程度終わったら進めようと思っている
⑥星調査
(星の動きを観測し記録する)
やりたいことだらけだ
わくわくする
とりあえず、⑤以外を中隊に割り振る
植物調査団(3個中隊48匹) 鹿族
動物調査団(3個中隊48匹) 竜族
地理調査団(4個中隊48匹) 雀族
気象調査団(1個中隊24匹) 猿族
星調査団(1個中隊24匹) 狼族
合計12個中隊
一個中隊余る
それは特務部隊として、男直属とした
調査団はワコに任せて
男は自分の調べたいことにこの一個中隊を使おうと考えた
あとは適宜必要なら隊員・種族の入れ替えを行っていく
とくに気になっているのは星調査団である
どんな星がどんな動きをするのか
この星がどんな環境なのかをぜひ知りたい
男はこの探検隊に名前を付ける
男はオオモリノシロヌシガミと名付けた大鹿を思い出した
その時に考えた今後についての指針を思い出した
「謙虚に学ぼう、堅実に生きよう、驕らず、卑下せず、前を向こう
未知を求めよう、危険なことにも勇気をもって立ち向かおう
謎を探そう、秘密を解き明かそう、困難もあるかもしれない
それでも立ち続けよう、歩き続けよう、そうすれは自ずと、空は広がり、海は開け
道が見えてくる、開いた心で、先を目指そう、この先の道が現れ、行く先の空は晴れ渡っている」
ここから探検隊の組織名を考えた
探検隊の名前は
「晴渡探検協会」(はれわたりたんけんきょうかい)である
”晴れ渡っている”から晴と渡という字をとりだす
そして晴渡(はれわたり)という言葉を考えた
この言葉は男の川の基地の名前となった
「晴渡館」(はれわたりかん)
川の基地の新しい名前であり、探検隊の本部の名前である
そしてここを拠点として活動する探検隊は「晴渡探検協会」である
ここで男は考えた
俺たちはいったい何者なのだろうか?
今はただの探検隊と小さな自治組織の集団である
だがいまいちまとまりに欠ける
なんせ島の生き残り競争に勝ったのだ、これはすごいことである
いまみんなは単なるちょっとしたまとまりとして集まるようになっただけ
もっと島としてのつながりが欲しい、ひとつであるというなにかが…
そして思いついた
この晴渡という字をもじって「晴輪」(はれわ)という言葉を作り出した
意味は晴渡の晴、輪は歯車、転じて、機械生命体のことである
つまり機械生命体たちによるこの組織そのものである
探検し世界を知り、機械生命体としての更なる進化と豊かな生活を築いていくのだ
もしかしたら、この島のように、生命の危機にある機械生命体もいるかもしれない
正直男からすれば探検をして新しいことを知りたいのが一番だが
散り散りになった機械生命体たちを保護し、豊かな機械生命たちの活動を守るのも役割かもしれないと
男は思った
そして探検隊に加えてもう一つ名付けた
「晴輪国」である



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