男の隠れ家はこの機械樹の森に全部で5つある
そのうち2つは避難所のような簡素なものだが
3つは割としっかりしている
ここ数か月、ドタバタと暴れてくれるおかげで大きな木が倒れ
使えそうな材木が量産されていった
男はこれをバラし、隠れ家の増強と居住性向上に利用した
結果なかなかな家ができたのだ
一番のお気に入りは川のそばの隠れ家である
ここが一番道具も揃っていて広い
地下に穴を掘り、木材で蓋をして雨露を防ぐように工夫した
手作り感満載の家だった
丘の上の森の中にあり、高低差があるため大型獣はここまでこれない
平和な場所かつ水場も近かった
男はここが治療現場の中心地としていた
ケガしている機械獣を見つけてはここへ担ぎ込む
そして治り次第、送り出していた
道中拾った先ほどの熊も、ここへ運び込んだ
かなりやられている、お腹をがっつり、頭もやられている
これは重症だ
他にも休んでいる機械獣はいる
だがやむを得ない、手術を始める
正直治療そのものは難しくはない
いわゆる詰め物をするような感じだ
だが頭は初めてだった
層に分かれていて、中には核がある
なるほど、心臓と頭脳でそれぞれ核があるのか
そういう仕組みなんだが、実に勉強になる
かつて、戦争が技術力を飛躍的向上させたと聞く
医療技術も例外ではなく整形技術などは腕をなくしたりした兵士の治療技術が元と聞いたことがある
この機械樹の治療も例外ではない
男にとってこの治療や保護は罪滅ぼしでありかつ機械獣の知識を得るための最良の機会でもある
子熊の治療は朝までかかった
治療方法として、頭脳は埋めれば治るというものではなさそうだった
頭脳にある核が欠けていたのだ
そこで、正直自信はなかったが、湖の時から貯めてきた核コレクションの中から
一番この熊の核の色に近くて色の透き通ったものを当て込んだ
そして機械樹の樹液を塗り、固定した
ハッキリ言ってどうなるかわからなかった
そもそも頭と心臓で別々に核がある個体は初めてだ
湖にいた機械獣たちはひとつだった、大きさによるのだろうか、
機械樹の森の獣たちの頭脳を手術したのはこれが初めてで、しかも頭に攻撃くらっているのに
まだ動いている個体を初めてみた、ギリギリだったのかもしれない
一晩まち、二晩、三晩、、経った
回復した機械獣も心配して周りに集まってくるほどだった
そう、不思議なことに、手術後に、男の隠れ家に入り浸る機械獣や
なぜか時々帰ってきて獲物をとってきてくれたりする機械獣が現れた
恩返しなのだろうか、だとしたらうれしいことだ
いつしか隠れ家の周りは機械獣でにぎやかになっていた
いつも通り朝起きて、川へ向かう
身体を流し、朝日をいっぱいに浴びる
狩りと素材集めをしながら、隠れ家に戻る
森を抜けるとそこには、小さな熊が立っていた

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