晴輪物語【始記】 42 作戦前夜

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藤の森に帰った夜、自警団一同を集めて作戦会議を開いた

男は狼王から聞いた話、真樹の話を皆に言って聞かせた

さらにこれから人型に会いに行くこと

最終的に人型を倒さねばならないことを話した

 

そして最後に、今後の作戦を話した

 

まず人型と話す

おそらく仲良しにはなれないだろう

根本的に考え方が違いすぎるからだ

彼らは人間を船に保護するのが目的であり

人間である男からすれば朽ち果てた船に保護されたところで何も得はない

それどころか監視され、きっと今よりも行動は制限される

探検や発見がしたい男からすれば束縛など言語道断である

これは男の心の声である

だが、いま一連の戦いの元凶が人型であるという仮説はほぼ立証されかけている

男は各族が言っている「侵入者」が人型であると考えている

やつは恐ろしく早い、その上姿も見えない

だから、侵入に気づいたときにはその場にいないだろう

そして同じく侵入され追いかけている別の種族と鉢合わせし、他種族が侵入したと勘違いする

それの積み重ねが今であると男は思っている

だがわからないのはその理由だ、なぜ人型は島を動き回るのだろうか

常に人を探している?今までずっと?それならこの島は絶えず争いが起きているはずだ

今まで関わりのなかった種族が初めての縄張り争いをしているようにしか見えない

つまり、ここ最近の話だ

最近になって人型が動き回る理由ができたということだ、それはなんなのか?

男にはそれがわからなかった、聞きたいのはここなのだ

そして人型がどう動いていたかによって、元凶かどうかがわかる

彼らが元凶だった場合でも共存を申し出るつもりだ

だが断られた場合、強硬手段に出ざるを得ない

その手段はオオヅツと人型をぶつけることだ

現在の戦力には人型と対等にやり合えるのはワコくらいしかいないが

彼ら人型は一人ではない、ワコだけでは勝ち目はない

仮にワコが強くても、お互いに多大な犠牲を払うなんて、無意味すぎる

だから、男はオオヅツを使うことにしている

オオヅツがダメな場合はドドフンヌだ

あの鹿の強さなら、対等にやり合えるだろう

自分自身に力がないことが悔やまれる

 

ワコと友達の小鹿にはすでに話をしている

それぞれオオヅツとドドフンヌを探し、協力してもらえないか説得に使いを送った

問題はそもそも見つかるかどうか、そして見つかったところで協力してくれるかどうかだ

同時に、狼・竜・北の森に伝令を出し、

万が一人型と遭遇した場合は個々に撃破するように依頼をしている

この後どうなるかは不明だ、何も起きないのならそれでもいい

だが、男の直感は、嫌な予感がしていた

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