晴輪物語【始記】 41 森の護り

観光

男達一行は狼の洞窟を後にした。

そして山を下り、麓まで下りた。

黒い狼がお見送りのように一定距離を保ちながら後ろをついてきた。

麓に到着し、森へ向かうところで、狼は消えた

よく見回すと、他にも何匹か黒い狼がいた

監視する理由もない、護衛でもしてくれたのだろうか

 

藤の森に向かいながら、竜やワコ達に説明する。

狼の協力は取り付けたこと、狼王の談話を聞かせた。

すると水色竜が言った

「我々にも似たような話が伝わっている、真樹様が大昔に話してくれた、

この姿は長い年月をかけて試行錯誤した結果、当時陸上にいた生物を真似たものだと

ただ細かいところは真似できなかったようで、色はバラバラで大きさも個体差が大きいようだ」

 

「おまえらも何かの生物を真似たのか…では森については?」と男

 

竜は答える

「森は我らが生れるところ、であり、死ぬところであると聞いた、我らの使命は真樹様の森を守ること

であり、それぞれが森を守り続けることで、我々は生きていけると」

 

男は思った

狼王の言っていたミナとやらが、この仕組みを作り上げて後世の機械生命に森を守れという命令の形で

伝えたんだろうか、まるで人間の頭脳がひねりだした答えのようだ、ミナとはなんなのか

 

ワコが思い出したように話し出した

「ぼくもずっとミナから森を守れってずっといわれてきた、初代はもうほとんど記憶がなくて、

ただ暴れるだけになっちゃったけど、みんなで守ろうって森とも仲間とも話はよくしてる」

 

「初代って…どんなやつ?」男はおそるおそる聞く

 

「初代は北の森にいるぼくよりずっと大きな熊だよ、昔はかっこよかったんだけど、

今はもう話すことができなくなっている、この前、鹿族のミナを殺しちゃってからは、

姿を見てない、森も最初は昔に戻ってもらおうとしていたけど、いまはあきらめている」

 

「ちょっとまて鹿のミナって…まさか…」男は立ち止まった

 

あいつだ、オオモリノシロヌシガミだ

てことは初代の熊とはオオヅツのことだ…

どうやらそれぞれの機械獣にはミナという呼び名のヌシがいるようだ

王とでもいればいいのか、それとも親分的な感じなのかは不明だが

そもそもミナという意味合いには違和感がある、親も師匠も指導者もすべてに対しての呼び名が

ミナなのではないかと感じている

 

オオヅツがオオモリノシロヌシガミを殺したことは北の森でも話題だったということだ

さらにオオヅツが現在制御不能で行方不明、かつ森ではあいつはもうだめだ…

みたいな雰囲気になっているようだ、他の族長に手を出すんだからそりゃそうだな

オオヅツか…、確率は低いがこれは使えるかもしれない

しかしうっすら感じていたが、ワコはやはりオオヅツを長とする熊族の一員か

とするとそれぞれは種族は厳密には違うかもしれないが、熊は熊、狼は狼の一大家族なのだろう

そして他の種族には手を出さない掟のようなものがあるようだ

森はそのあたりを管理統括する立場なんだろう

熊一族に頑張ってもらって、オオヅツをうまく呼べないだろうか

 

などと考えながら歩いていると藤の森に到着した

一晩おいて整理をしてから、明日はいよいよ人型と会うことにする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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